
冬になると暖房器具の使用により、オフィスの空気は一気に乾燥傾向になります。
室内が乾燥することで、のどや肌の不調、静電気、ウイルスの拡散などと室内では多くの問題が起こります。
加湿器を利用した対処方法でも、一定の効果はあります。
しかし、乾燥の原因が建物の性能や空調設計にある場合だと根本的な解決にならないことがあります。
今回のブログでは、冬の乾燥が企業活動に与える影響について触れながら、オフィス内でどのような対策が可能かをご紹介します。
冬の乾燥がオフィスにもたらす見えにくいリスク
冬場のオフィスでよく聞く不快に感じる状態として、
「のどが痛い」「静電気がひどい」「風邪が流行りやすい」「目が乾く」「肌が荒れる」などの声がよく聴かれます。
これらは単なる季節特有で感じる不快感ではありますが、働くうえで生産性に影響を及ぼすことがあります。
健康リスクと生産性の低下
湿度が40%を下回ると、ウイルスの生存率が高まりやすい環境と言われます。
結果として、体調不良による欠勤や作業時のパフォーマンス低下に繋がります。
オフィスで咳をしている人が増えると、風邪などの体調不良が増え、生産性が著しく下がります。
また、乾燥は風邪などの病気だけでなく、目の疲れを悪化させます。
特にPC作業が中心の職場では、ドライアイや目のかすみで集中力が低下しやすくなります。
静電気と設備トラブル
湿度が低いと静電気が発生しやすくなります。
ドアノブでバチッとする程度なら業務に影響はありませんが、サーバールームや精密機器に対しての静電気が起きた場合、最悪電子機器の故障による業務の停滞が発生することがあります。IT関連企業や精密電子機器を扱う企業にとって静電気は大敵ともいえます。
来客対応・企業イメージへの影響
室内の乾燥したオフィスは、どこか居心地が悪く、不快に感じる空間になります。
空気がカラカラで、肌が突っ張るような空間は、無意識のうちにマイナス印象を与えます。
初めて訪問される方が感じる空気の環境は意外と印象に残ります。
暖かいけれど乾燥している空間と、適度な湿度で落ち着いた空間では印象がまったく違います。
乾燥対策は、社員のためだけでなく、企業のブランドイメージにも影響が出ることがあります。
なぜ冬のオフィスはここまで乾燥するのか
冬の乾燥にはいくつかの構造的な理由があります。
まず、外気そのものが乾燥してしまっていることです。
冬の冷たい空気は水分量が少なく、そのまま取りこんでしまうことで室内が乾きます。
次に、暖房器具の使用が増えることで、空気は温めるとそれに伴い湿度が下がり、同じ水分量でも、室温が上がれば湿度は低く表示されます。
さらに見落とされがちなのが、建物の断熱性能と気密性です。
断熱性能が低い建物では、室温を保つために暖房の利用頻度が必然的に多くなります。
すると、乾燥が進み、隙間風が多い建物では外気が頻繁に流入してしまうため、湿度が安定しません。
つまり、乾燥は設備だけの問題ではなく、建物全体の性能と密接に関係しているのです。
応急処置ではなく、オフィス改修でできる本質的な対策
多くの企業がまず乾燥対策で導入するものとして加湿器が挙げられます。
確かに加湿器は乾燥対策にとても有効な設備です。しかし、広いオフィス内では設置台数に限界があり、
給水やメンテナンスの手間も増えることになります。
ここからは、オフィスそのものを改修することによって可能になる乾燥対策をご紹介します。
1. 空調システムの見直し
空調と一体化した加湿機能がある設備を導入することで、オフィス全体の湿度を安定させることができます。
中央管理型の空調に加湿機能を設置することで、エリアごとの湿度制御も可能です。
会議室、執務スペース、サーバールームなど用途に応じた湿度管理が実現できます。
湿度を年間を通して可視化できるシステムを導入すれば、データに基づいた環境管理も可能です。
2. 断熱改修による暖房負荷の軽減
窓の断熱性能を高めるだけでも、室内環境は大きく変わります。
断熱性が向上すれば、暖房の過剰運転が減り、その結果、室内の湿度低下も抑えられます。
さらに、暖房の過剰運転が減る為、光熱費削減にもつながります。
壁や天井の断熱補強も検討価値があり、築年数が経過したビルほど効果を実感しやすいでしょう。
3. 内装素材の選定
意外に思われるかもしれませんが、内装材の選び方も湿度に影響します。
調湿機能を持つ壁材や天井材は、空気中の水分を吸収・放出し、湿度を安定させます。
自然素材や機能性建材を取り入れることで、機械設備に頼りきらない環境づくりを実現します。
4. ゾーニングの再設計
設備や材料の見直し以外に、フロアの乾燥しやすい場所とそうでない場所を把握し、オフィスのレイアウトを見直すことも重要です。
外壁に面したエリアは特に温度変化が大きく、湿度も不安定になりがちです。
例えば、執務スペースの配置を調整する、会議室を断熱性の高いエリアに移すなど、空間設計を見直すことで体感が大きく変わります。
冬の乾燥対策はコストか、それとも投資か
オフィスの改修を検討する際、必ず議題に上がるのが費用です。
確かに設備更新や断熱改修を検討する際は以下の視点も踏まえて費用を検討しましょう。
・欠勤や体調不良による生産性低下
・採用活動への影響
・光熱費の増加
・設備トラブルのリスク
これらを長期的に見れば、乾燥対策は単なるコストではなく、企業体質を改善するための投資といえます。
特に近年は、働きやすい環境を整備しているかどうかが企業評価に直結します。
SETHOMEが考える、冬をきっかけにしたオフィス環境の見直し
冬は、乾燥や寒さなどの建物の弱点が最も表れやすい季節です。
乾燥や寒さは、普段は見えにくい建物の性能不足を浮き彫りにします。
SETHOMEでは、単に設備を追加するのではなく、建物全体を診断し、最適な改修プランをご提案します。
空調、断熱、内装、レイアウトまで一体で考えることで、表面的な対策に終わらない環境改善を実現します。
重要なのは、「快適にする」だけでなく、「働きやすさと経営メリットを両立させる」ことです。
冬の乾燥対策は、社員の健康を守るだけでなく、企業の未来を守る取り組みです。目に見えない空気環境だからこそ、戦略的に整える価値があります。
冬の乾燥は、のどの痛みや静電気といった小さな不快感から始まります。
しかし放置すれば、生産性低下、設備トラブル、企業イメージの低下といった大きな問題へと広がります。
加湿器を置くだけの対策から一歩進み、空調・断熱・内装・レイアウトまで含めたオフィス改修を検討することで持続的な様々なメリットを生み出します。
冬は、環境を見直す絶好のタイミングです。乾燥をきっかけに、オフィスの本質的な価値向上を考えてみてはいかがでしょうか。
