
■ はじめに:冬こそ家の中で事故が増える季節
冬は、寒暖差によるヒートショック、滑りやすい床、暗くて見づらい段差での転倒などの事故が最も増える季節でもあります。
特に高齢のご家族がいるご家庭では、「転倒して骨折してしまった」「浴室で意識を失っていた」といった事故が起こりやすくなります。
厚生労働省の調査によると、家庭内での事故死の約8割が65歳以上の高齢者で、その多くが浴室・階段・トイレなどで発生しています。
そこで今回のブログでは、冬にこそ見直したい“バリアフリー”の考え方と、すぐにできる安全対策・リフォームの優先ポイントをわかりやすく紹介します。
■ 1. 冬に増える「家庭内事故」とは?危険の3大要因
◆ 要因① 温度差によるヒートショック
暖かいリビングから寒い浴室やトイレへ移動したとき、急激な温度変化が原因で「ヒートショック」が発生します。
高齢者の方は、脳卒中や心筋梗塞の引き金になることもあり、冬の家庭内事故で多い原因のひとつです。
◆ 要因② 滑りやすい床・段差
冬場は、靴下が厚手のものを使うことが多くなり、足元の間隔が鈍くなっているため、
フローリングの床やカーペットの端、玄関の段差などで躓き事故が増える傾向にあります。
◆ 要因③ 暗さ・視界の悪さ
冬は日照時間が短く、家の中が暗い時間が他の季節に比べて長い状態です。
特に廊下や玄関など照明が少ない場所では、段差や障害物に気づきにくくなります。
視力が低下した高齢者の方には、転倒などの事故のリスクが上がります。
■ 2. 今すぐ見直したい!冬の“バリアフリー”チェックポイント
ここまでは、家庭内事故の要因について触れてきましたが、
実際に家の中をどう点検して改善すれば安全で快適に過ごせるのかを見ていきましょう。
◆ 【浴室・脱衣所のチェックポイントとおすすめ対策】
ヒートショックの発生原因は、浴室と脱衣所の温度差が大きいことで発生しやすくなります。
築20年以上の家では、断熱が十分でない浴室が多く、冬場は10℃近い差が生まれることもあります。
| 【チェックポイント】 | 【おすすめ対策】 |
|
脱衣所が寒い。浴室と温度差がある |
浴室暖房乾燥機の設置 |
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浴室の窓が一枚ガラスで結露が多い |
断熱浴槽・高断熱窓への交換 |
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浴槽が深く、出入りがつらい |
段差のないユニットバスへのリフォーム |
|
手すりがない、または不安定 |
浴槽の縁や壁に手すりを設置 |
入浴前に脱衣所も温めておくだけでも、事故リスクは大幅に下がります。
近年では電気式ヒーターや人感センサー付き暖房など脱衣所を温める設備も充実しているためおすすめです。
◆ 【トイレのチェックポイントとおすすめ対策】
トイレも浴室や脱衣所同様に冬は冷え込みやすく、立ち座り動作で転倒事故が起こりやすい場所です。
特に夜間の利用時は、トイレまでの動線の暗さも重なって事故のリスクが増します。
| 【チェックポイント】 | 【おすすめ対策】 |
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手すりがない/壁が頼りない |
壁面または便器横に縦・横手すりを設置 |
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床が滑りやすい素材(フローリングなど) |
滑りにくいクッションフロアに変更 |
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便座が冷たい |
暖房便座または節電タイプの温水洗浄便座に交換 |
|
夜の照明がまぶしい or 暗すぎる |
足元をやさしく照らす間接照明や人感センサー照明を設置 |
◆ 【玄関・廊下・階段などの出入り口は“段差ゼロ+明るさ”が重要】
外と中の温度差、段差、暗さのこの3つの要因が重なる玄関や階段は、冬の事故が最も起こりやすい場所の一つです。
| 【チェックポイント】 | 【おすすめ対策】 |
| 階段が急で手すりがない | 手すりを壁沿い・階段両側に設置 |
| 廊下が暗く、照明が少ない | 廊下や階段に足元照明・センサーライトを追加 |
| 靴や荷物が散らかっている | 滑り止めマットやノンスリップテープを貼る |
最近はデザイン性の高い手すりやライトも多く、見た目も良くして安全性を高めることが可能です。
◆ 【居室・寝室】暖かく、動きやすい空間に
居室や寝室は住宅の中でも、過ごす時間が長い場所です。暖房効率と動線の安全を両立させましょう。
また、暖房器具は「転倒しにくい」「自動OFF機能付き」のものを選ぶと安心です。
| 【チェックポイント】 | 【おすすめ対策】 |
| 床が冷たく、隙間風が入る | 内窓(二重窓)設置で断熱性をアップ |
| ベッドや家具の配置で動線が狭い | 床暖房や防寒マットで足元を暖かく |
| カーペットの段差やコードにつまずく | 家具の配置を見直して「通路幅70cm以上」を確保 |
| 夜間トイレまでのルートが暗い | 廊下・寝室に夜間用フットライトを設置 |
■ 3. バリアフリー工事の目安と費用感
| 工事内容 | 費用目安 | 効果 |
|---|---|---|
| 手すりの設置(トイレ・廊下・浴室) | 1〜5万円×箇所 | 転倒予防・立ち座り補助 |
| 浴室改修(段差解消・断熱浴槽) | 80〜150万円 | ヒートショック防止・保温性UP |
| トイレ改修(段差解消・手すり) | 20〜50万円 | 使いやすさ・安全性UP |
| 内窓(断熱窓)設置 | 5〜10万円×箇所 | 断熱・結露防止 |
| 廊下・階段照明追加 | 1〜3万円×箇所 | 夜間の転倒防止 |
| 玄関の段差解消 | 10〜30万円 |
出入りの安全性UP |
※費用目安はおおよその目安になります。実際の費用算出は現地確認後の算出となります。
■ 4. 補助金や助成制度も活用できる
高齢者向けのバリアフリー改修には、国や自治体の補助金制度があります。
代表的な補助金制度:
-
介護保険の住宅改修費支給制度
→ 要介護・要支援認定を受けていれば受けることが出来る補助金制度。 -
自治体の高齢者住宅改修補助
→ 各市町村で手すり・段差解消・断熱改修などを支援制度。 -
住宅省エネキャンペーン(国交省)
→ 断熱窓・浴室リフォーム・給湯器交換の補助金制度。
補助金制度を利用することでリフォームの費用を抑えて、希望通りのリフォームを実施しやすくなります。
■ 5. 安全な家づくりのために知っておきたい考え方
安全に過ごせるリフォームを成功させるには、以下のポイントを抑えることが大切になります。
-
“つまずかない・冷えない・暗くない”が基本
この3つを意識するだけで、住宅内の安全性が大きく向上します。 -
“家族の動き方”を観察する
腰をかがめる、支えを探すなどの日常のしぐさが本当に必要なリフォーム箇所を見つけるためのヒントになります。 -
“家族全員が使いやすい”を前提にする
バリアフリーは高齢者のためだけのものではなく、住んでいる家族の快適な空間を作成することです。
■ 6. まとめ:冬のバリアフリーは“命を守るリフォーム”
冬は、家の中でも事故が起こりやすい季節です。
特に高齢の家族がいる家庭では、転倒・ヒートショックのような命に係わることがあります。
しかし、手すりを1本つける、照明を増やす、脱衣所を温めるなどの小さな工夫だけでも事故を防げます。
この冬こそ「安全と快適を一緒に整える」チャンスです。
セットホームでは、どこが危険な箇所で、どこを優先してリフォームすべきかを明確に判断することができます。
どこからリフォームするか悩んでいたり、そもそもどこから手を付ければいいか悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
当社スタッフが親切丁寧に適切にアドバイスいたします。
