冬になると、家の中で一番寒さを感じやすい場所として和室を挙げる人は多い傾向にあります。

和室は、湿度調整に優れており、夏の快適に過ごせる優秀な空間です。

しかし、冬になると和室の特性が裏目に出て、他の部屋に比べて寒く感じることがあります。

今回のブログでは、和室が寒い理由を整理しながら、すぐにできる対策とリフォームで改善できる実践的なアイデアを分かりやすく紹介します。

 

和室が寒くなる理由を知る

 

暖かい空間をつくるためには、まずは寒さの原因を知ることが重要になってきます。

和室が冬場に冷えやすいのには、いくつかの特徴があります。

 

1. 断熱性が弱い材料が使われている

畳や障子は湿度を調整したり、やわらかい光を取り込むのに優れている和室の特徴的な構造でもあります。

断熱性の面では洋室に使われる建材に比べるとどうしても性能が弱まる傾向にあります。

特に障子は外との境が紙一枚のため、普通の障子紙だと冷気がそのまま部屋に伝わってしまいます。

 

2. 床下からの冷気が上がりやすい

家の構造によっては床下と接している部分が広く、畳の隙間から冷たさが上がりやすくなります。

築年数が経過している和室では、床下断熱材が入っていない場合も多く、気温が低い日ほど冷え込みが強くなります。

 

3. 外壁面や窓の構造が弱い

築年数が経過している和室の場合、建設された当時の単板ガラス窓や木製枠をそのまま使用していることが多いため、

ガラス窓や木製枠の箇所から熱が多く逃げるため、部屋が寒くなりやすいです。

 

こうした条件が重なることで、エアコンをつけても暖まるまでに時間がかかったり、暖房を消した瞬間に温度が下がってしまいます。

それでは、どこから改善をしていけばいいかをご紹介していきます。

 

今日からできる簡単な暖房効率アップ

 

まずは、リフォーム工事を検討する前に気軽に取り入れられる方法からご紹介します。

 

1. 断熱シートを活用する

障子に市販品の保温断熱のある障子紙を利用することで冷気の侵入を抑えられます。

見た目を大きく変えず、和室の雰囲気を壊さないまま断熱性を高められます。

 

2. 厚手のカーテンや障子風スクリーンを追加する

和室でも、障子の手前に厚手のカーテンを設置することで暖房効率が上がります。

障子だけの状態よりも空気層が増えるため、冷気が部屋に入りにくくなります。

 

3. ラグや置き畳を敷く

畳の上に薄いラグや断熱性のある置き畳を敷くと、冷たさを和らげられます。

床下からの冷えを直接感じにくくなるので効果的です。

しかし、湿気がこもらないように換気やカーペットを天日干してダニやカビの発生に注意する必要があります。

 

4. 家具の配置を見直す

部屋の端に置かれた家具がエアコンなどの暖かい空気の流れを邪魔している場合があります。

暖房が当たりにくい場所が出来ることで、部屋の場所によって暖かい場所と寒い場所が出来てしまいます。

空気が循環しやすいように配置を整えるだけでも違いが出ます。

 

リフォームで可能になる本格的な寒さ対策

 

和室を本格的に暖かくしたい場合、リフォーム工事で改善できる部分がいくつもあります。

断熱効果が効果が高い順にリフォーム内容をご紹介します。

 

1. 内窓の設置

冬の寒さ対策として最も断熱効果が見込めるのは、内窓を追加することです。

内窓を追加すると空気の層が増え、冷気の侵入がぐっと減り、エアコンの効きも良くなるので光熱費の節約にもなります。

内窓というと洋風のデザインを思い浮かべる方もいるかと思いますが、和室にも馴染む木目調の内窓を選べば違和感もありません。

 

2. 断熱性の高い畳に交換

近年は断熱材が内蔵された高性能な畳があり、従来の畳に比べて熱を逃しにくいので、底冷えの改善に大きな効果があります。

見た目は普通の畳とほぼ同じため、部屋のイメージを崩さずに快適性を高められます。

 

3. 床下断熱材の追加

床下の冷えが強い家では、床下に断熱材を入れるだけで体感温度が大きく上がります。

畳を外して施工するため手間はかかりますが、その分効果も大きいリフォーム方法です。

築年数が経過している住宅で特に有効なリフォーム方法です。

 

4. 窓自体を交換する

予算を確保できる場合は、窓の交換が最も確実な方法です。

複層ガラスや樹脂サッシに変えることで、冬の冷たさはほとんど気にならなくなります。

特に北向きの部屋や日当たりの悪い部屋では効果が大きく効果を発揮します。

 

実際にどれくらい変わるのか

 

和室の断熱対策をすることで、見た目はほぼそのままなのに、体感温度が上がり快適に過ごすことが出来ます。

ご紹介したどの方法も、暖房の効きが良くなるため光熱費の削減にもつながり、小さなストレスも感じにくくなります。

リフォーム後は「同じ部屋とは思えない」と感じる人も多く、特に築年数が古い家ほど快適に感じられます。

 

和室らしさを残しつつ暖かくするポイント

 

和室は木の風合いや自然素材を使うことで独特の落ち着きがあります。

その魅力を残しながら暖かさを追求するには、以下の考え方が大切です。

 

1. 雰囲気を壊さない素材を選ぶ

設置する設備を選択する際には、木目調や部屋の色に近いデザインを選択することで和室の良さを守りつつ断熱の機能性を上げられます。

 

2. 光の入り方を考える

障子のやわらかい光を活かしたい場合は、断熱タイプの紙を選ぶことで雰囲気を保ちながら暖かさを確保できます。

 

3. 和室の用途に合わせて改良する

寝室として使う場合は底冷え対策を優先にし、客間なら空調効率を上げる窓の改良を優先するなど、

その部屋の使い方に合わせて優先順位を決めておくと無駄のないリフォームをすることができます。

 

まとめ

 

和室は寒いと感じやすい空間ですが、構造上の弱点を理解して対策すれば冬でも快適に過ごせます。

窓まわりの改良、畳交換、床下断熱は特に効果が大きく、暖房費の節約にもつながります。

今日からできる小さな工夫でも違いは出ますし、本格的なリフォームを行えば長く快適な空間に生まれ変わります。

冬になると和室の寒さが気になっていた方は、ぜひ改善の一歩を踏み出してみてください。