
福島県内では12月に入り先日は初雪も観測されました。
この時期になると浴室の寒さが最も寒くなる季節でもあります。
湯船に浸かっている間は温かくても、脱衣所に入った際に寒さで思わず身震いしてしまうことも多いはずです。
実はこのような温度差は、「ヒートショック」の引き金になり、体に対して大きな負荷をかけることにもなります。
特に高齢の方や若い方でも血圧が不安定な方にとっては危険な状況を生みやすい状況でもあります。
今回のブログでは、冬の浴室での問題点と、リフォームで対策できるヒートショック対策をわかりやすく紹介します。
ご家族の健康を守るためにも、今こそチェックしてみてください。
1. なぜ冬の浴室は危険なのか
冬の浴室には、「ヒートショック」などの寒暖差による健康被害を起す原因が潜んでいます。
ニュースなどでも良く聞く「ヒートショック」まずはその仕組みから要点を確認していきましょう。
◎ 温度差による血圧の急変
暖かいリビングから冷たい脱衣所や浴室に移動すると、体は急激な寒さに反応して血管が縮むことで血圧が一気に上がります。
その状態のまま湯船に浸かると、今度は縮んでいた血管が急に開き、今度は血圧が下がります。
この血圧の大きな差で心臓や脳に負担がかかり、失神やめまいを引き起こすことがあります。
特に浴槽に浸かる文化が強い日本では、毎年家庭内での入浴中の事故があり、特に多くの事故が冬場に集中しています。
◎ 高齢者は特に注意が必要
年齢を重ねると血管の反応が鈍くなっていくため、温度差への耐性も下がっていきます。
さらに持病がある場合には、寒さによって症状が悪化することもあり、暖房が効いたリビングとの温度差が大きいほど危険性は上がります。
◎ 家の構造が原因で発生する寒暖差
築年数が経過している住宅では、浴室の断熱性能が低い状況が多いです。
特にタイル貼りの浴室は冬に冷えやすく、浴室が暖まるまでに時間がかかります。
さらに窓がに断熱の施工をしていないと冷気が入ってきやすく、浴室や脱衣所全体の温度が寒さによって下がっていきます。
2. 冬の浴室で起こりやすい問題
冬の浴室は、温度差の問題以外に様々な問題が発生します。
現状使えるからと問題を放置すると自分や家族の健康だけでなく、住宅の寿命にも影響することがあるため注意が必要です。
◎ 床や壁が冷たい
浴室内がタイル張りの床の場合、冬は冷たさがより厳しく感じることがあります。
足裏や体が冷えることで血管が縮み、結果的にヒートショックのような健康被害のリスクを高めてしまいます。
◎ 湯温のムラが発生しやすい
浴室内が冷え切っている状態でシャワーを浴びても体が温まりにくく、湯船に入るまでに体温が上がりにくいことがあります。
その結果、湯船での温度変化が大きくなり負担が増します。
◎ 結露やカビの発生
浴室の寒さが厳しいと温かい蒸気がすぐに壁や窓で冷やされることで大量の結露が発生します。
発生した結露を放置すると黒カビが増殖し、衛生面で悪影響を及ぼします。
3. リフォームでできるヒートショック対策
ここからは、リフォームで実現できる具体的な冬の寒さ対策を紹介します。
冬の浴室を安全で快適にするには、設備と環境の両方を整えることが重要になります。
◎ 浴室暖房乾燥機を導入する
冬の寒暖差の解消にもっとも効果が高い設備が浴室暖房乾燥機です。
入浴前に数分運転することで浴室内が暖まり、温度差が大きく改善されます。
メリット
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入浴前に浴室全体を温められる
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洗濯物の乾燥にも使える
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除湿の役割も担えるためカビの発生を抑えることができる
特におすすめなご家庭
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高齢者と同居している
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冬の入浴が寒さでつらいと感じる
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毎年結露やカビに悩まされている
◎ 脱衣所に暖房を設置する
浴室が暖かい状態でも、脱衣所が寒い状態だとそこで温度差が生まれます。
そのため、浴室だけでなく、脱衣所の寒暖差対策も重要になります。
対策例
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壁掛けタイプの暖房機を設置
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省エネ型パネルヒーターを導入
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断熱性が低い場合は窓の見直しも有効
脱衣所を暖めるだけでヒートショックなどの寒暖差による健康障害のリスクは大幅に下がります。
◎ 浴室そのものを断熱性の高い仕様にする
設置から年数が経過している古い浴室を使っている場合、ユニットバスへの交換は大きな効果があります。
ユニットバスと聞くとトイレと浴室が同じものをイメージしがちですが、トイレと別の種類もあります。
最新のユニットバスは床、壁、浴槽の断熱性能が高いためおススメです。
主な特徴
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冷たく感じにくい床材
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保温浴槽でお湯が冷めにくい
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断熱パネルで浴室まるごと保温
浴室そのものを交換するには、それなりの初期費用が必要となりますが、
毎日の快適さと安全性を手に入れるのには費用分の価値はあります。
◎ 窓断熱で冷気を遮断する
浴室にある窓は冷気が入ってきやすい場所でもあります。
窓断熱を改善することで浴室全体の温度が上がりやすくなります。
有効な方法
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内窓を追加して二重窓にする
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アルミサッシから樹脂サッシに交換する
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窓の面積を縮小する
特に内窓は工期が短く、市町村によっては補助金の制度もあるため、費用を抑えながら冬の寒さ対策を行うことが出来ます。
◎ 床や壁の部分リフォームで冷たさを軽減
全面的なリフォームが難しい場合でも、床や壁だけといった部分的なリフォームで寒さを改善できます。
対策例
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冷たさを感じにくい床材に交換
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既存の床に上貼りする方法も可能
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断熱材を追加して冷気を伝えにくくする
部分的な断熱リフォームでも、寒さ対策には有効です。
4. リフォーム以外で今すぐできる対策
リフォームまで時間がある方や検討中の方でも、今日から実施できる対策はあります。
実施するのが難しくない小さな工夫でも寒さ対策として効果を発揮します。
・入浴前にシャワーで浴室を軽く温める
高温のシャワーを数分出すことで浴室内の空気が温まります。
浴室内に暖房機がない場合におすすめの方法です。
・脱衣所に置き型ヒーターを置く
脱衣所に小型のセラミックヒーターやパネルヒーターを設置して入浴前に脱衣所を温めることで、浴室との温度差を少なくすることが出来ます。
ヒーターは火傷や転倒のリスクがないものを選ぶと事故のリスクを軽減出来ます。
・浴槽にふたをしたまま入浴直前まで保温
浴槽の蓋を全部開けずに一部蓋を閉めるて入浴するだけでも湯の温度が下がりにくく、浴室全体が冷えにくくなります。
・入浴は家族の間隔を空けすぎない
入浴の間隔が空きすぎると浴室が冷えてしまいます。なるべく時間を空けずに続けて入浴することで温度を保てます。
5. 寒い浴室・脱衣所は健康を左右する
浴室や脱衣所の寒さは、不快に感じるだけでなく、家族の健康を脅かすことがあります。
特に冬の浴室は、他の季節に比べて健康リスクが高まるため、対策は早いほど安心して冬を過ごすことが出来ます。
リフォームで改善できる点は多く、ちょっとしたリフォームでも体感温度が大きく変わります。
ヒートショック対策は家族全員の安全につながるため、冬は見直すのにとても良いタイミングです。
まとめ
冬の浴室は、寒さによる健康リスクが増える季節です。
ヒートショックなどの健康被害を防ぐには、浴室と脱衣所の温度差を少なくすることが最も重要です。
そのためには以下が特に効果的です。
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浴室暖房乾燥機の導入
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脱衣所の暖房対策
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浴室の断熱強化
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窓の断熱リフォーム
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冷たい床や壁の改善
リフォームを組み合わせることで、安全で快適な入浴時間を実現できます。
浴室と脱衣所の寒さは気になっているけど、どこからリフォームすればいいのかそもそもリフォームの必要性があるのかお悩みの方もいるかと思います。
セットホームでは随時リフォームについての相談に対応しております。お気軽にご相談ください。
